扉。

山葵 完成歳
厳しいな、船長が言う。
確かに波は荒れてきたし、何故未だに転覆の恐れがないのか不思議だ
でも冷静なのは船長だけで、
俺たちゃあたふたして色々いじってなんとか無事に目的地に着こうと頑張っている
その時船長が言った
「もうそんなに頑張るな、もうこの船は転覆する。早く皆は救命胴衣を着けてボートで逃げるんだ」
船長の顔はにっこりと優しく笑っていた
他の者は即座に逃げたが俺だけはへたりと床に座りこんだ
船長がしゃがんで俺の顔を覗きこみ、「お前は逃げないのか?」とまたにっこりと優しい笑顔で言った、だが何故だか恐ろしかった。
続く
2007/01/12 12:08 削除
山葵 文字数越え歳
俺は意味不明の恐怖を抑えつつ「船長を置いて逃げるなんて出来ませんよ、だってこの船も船長も好きですから」
怖かったのは本当だが、本当に本当に俺はこの船と船長が好きで、心の底からにっこりと笑ってやった。
船長はそうか、とポンポンと俺の肩を叩いて立ち上がった。
船長と俺以外の皆が逃げ切った頃、曇っていたのに太陽が見え始め、波はおさまった。
俺は、へ?という感じだったが
船長は「やはりなガハハ」と笑い珈琲を飲んだ。
また航海の旅が始まった。
明るく楽しい船長と俺の旅が!
2007/01/12 12:09 削除